YouTube作家が書いた
ショートショート
(超短編小説)

星新一さんに憧れるYouTube作家が趣味で書いたショートショート・ストーリー(超短編小説)です。新作を随時追加しています。面白いかどうかは分かりません。

『地球滅亡スイッチ』

神様は空からスイッチを落としてしまった。そのスイッチは、地球を破壊することのできる危険なものだった。


それを知った地球人たちは、必死でスイッチを探した。そして一人の男がスイッチを手にいれた。そのニュースは、たちまち世界中に知れわたった。


世界中の人々は、男が癇癪を起こしてスイッチを押してしまわないようにと、男に親切にした。みんなが親切にしてくれるので、男は自分が偉くなったと思い込み、横柄な態度をとるようになった。


それを見ていた神様は、スイッチをもう1つ地球に落としてみた。そのスイッチをある女が拾った。みんなは女に親切にした。先にスイッチを見つけた男も女に親切にした。もちろん女も男に親切にした。


それを見た神様は、地球人全員分のスイッチをばらまいた。皆が皆に親切にするようになった。


神様は、自分のためにしか親切に出来ない現代の地球人に絶望してスイッチを押した。

『娘のしあわせ』

僕の父は、僕の彼女のことをとても可愛がっている。


デパートに行けば、彼女に似合う服がないか何時間もかけて探す。レストランに行くときも、彼女の雰囲気に相応しい店がないか、必死で探す。


その執着ぶりは異常なほどだ。本当の娘だったとしても、そこまでしないだろう。


ある日、自宅で両親と彼女と食事をしていると、見知らぬ男がやってきた。父はその男を知っているようで、歓迎し、一緒に食事をした。


男は一流大学出身のエリートだった。おまけに顔もスタイルも良い。


食後、父が僕に言った。

「心配するな。お前にも、そのうち相応しいガールフレンドを探してやる」

『メニューの多い料理店』

街で評判の「メニューの多い料理店」に両親とともにやってきた。

料理長はどんな料理でも出せると、豪語している。


父は寿司を注文した。母はパスタを注文した。

なかなか良いチョイスだ。寿司とパスタを一緒に出せる料理店はそうそう無い。

私はさらに厨房を混乱させてやろうと、シーフードピザを頼んだ。


しばらくすると、父の注文した寿司が運ばれてきた。すぐに母の注文したパスタも運ばれてきた。

どちらも手抜きした感じではなく、美味しそうだ。実際に二人とも「美味しい」と言って食べている。

私の注文したシーフードピザは、まだやってこない。さすがに注文が意地悪すぎたのかもしれない。


何分待っても来ないので、父も母も自分の料理を食べ終わってしまいそうだ。

私は店員を呼びつけて、「ピザはまだですか?」と聞いた。

店員は「確認します」と言って、店の奥に消えていった。

それからすぐ、先ほどの店員が誰かと電話をする声が聞こえてきた。店員は電話口の相手にこう言った。


「シーフードピザは、あと何分で配達してくれますか?」